「夏のかけら」 幸田 玲

読んだ本の感想



こんにちは「れびゅー」です。

いよいよ夏だなーっと思っていたところにタイトルの「夏のかけら」が飛び込んできたので読んでみました。

ネタバレになってしまうかと思うのですが、このお話はかつて恋人を事故で亡くした主人公の元に、仕事の依頼で、かつて失った恋人によく似た女性が現れ・・・といったお話です。

お話としてはけして「つまらない」と言う事は無いと思うのですが、なんだか僕はあんまり世界に入り込めませんでした。というのも、登場人物たちの行動やそれに伴う情景の描写とでも言うのでしょうか?細かく表現されているのですが、僕は逆にそれが苦手でした。

登場人物たちの居る世界を見ている「誰か」が、登場人物たちを取り巻く情景や感情の揺れ動きや機微を「説明」している感じなのです。そして、その「説明」だと感じる文章が多いのです。なんだか読んでいて「うわーどうなっちゃうの?どうなっちゃうの???」というわくわく感が沸いてこないとでも言うか・・・



でもまぁ、この本を読んで気付かされたのは、本を「面白い」と感じるのは「わくわく感」とか「そうなんだすごい!」とか「そうなっちゃうの!?」とか生きている人間に感じる事とおんなじだなーって事。やっぱ本は人の化身なり。

この本を読んで良かったなーっと思う事もあって、読んでる最中に頭に浮かんだ「恋は遠い日の花火ではない」っていう古いCMのフレーズ。僕もまぁいい年のおじさんなので、久しく恋心とは縁遠い訳でして。そんな僕に、「誰かに好意を寄せている時のあの気持ち」を思い出させてくれたので、まぁ読んだ甲斐はあったのかなーと思います。

本書の結末は残念ながらハッピーエンドとは行かない感じでしたが、「恋心や、うまく行かないもどかしさや、あれやこれやを思い出したいなーって方」とか、「現状叶わぬ恋に身を置いていて共感できる方」などは一読してみるのも良いかも知れませんね。

余談ですが、以前の勤め先の、かなり仲の良い部下との会話の中で「彼女」の話になり、彼女紹介しろよー的な会話の流れだったと思うのですが、その時部下が放った「だって、死んじゃったんですもん」という言葉と彼の顔がいまでも忘れられません。そのとき僕は「ごめん」と一言言うのが精一杯だったのを覚えています。




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Posted by れびゅー